ゴー宣DOJO

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小林よしのり
2023.11.17 07:08日々の出来事

「今」を味わう人生しかない

「東大一直線」の昔から、人気投票で嫌いな主人公は
東大通が一位だった。
みんなが嫌っているのに、不思議なことにヒットする、
強烈に嫌っている読者がいる一方で、強烈に好きになる
読者がいるというのが、わしの作品だった。

『おぼっちゃまくん』もそうだし、『ゴー宣』シリーズも
そうだし、常に常に嫌われつつ、熱烈なファンがいた。
万人に愛される漫画を描いたことがない。
描けないのだ!

それなのに、打ち切りになった失敗作も含めて、大ヒット
を狙っている。
山っ気なしに漫画家なんてやってられるかという感覚だ。

インドで『おぼっちゃまくん』のアニメが視聴率1位に
なったと聞けば、日本でもやっぱり万人に愛される漫画が
描けるんじゃないかという野心が再び燃え盛ってくる。

この歳じゃもう無理だろうと思いながら、野心が消える
ことはないというのは、いったい何なんだろう?
山っ気が消えることはない。
人間は歳を取れば澄み渡った無の境地になれると思って
いたのに、全然ダメだ。

だが、人間は必ず夢を諦めるときが来るのだ。
わしのような煩悩の塊でも、いつか諦めるときがくる。
そのときまでは「今」を生きるしかない。
どんなにつまらん世の中でも、自分の「今」をとことん
味わって生きるしかない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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